あなたの体温は普段どれくらいですか?体温はがんの増殖を抑えるのに一定の役割を果たします。がん患者の方の体温を測ってみると、意外な共通点などが見つかっています。
今日はがん患者の方にとって体温となんなのか、そして体温がどのように身体に影響があるのかにフォーカスしてみたいと思います。
目次
がん予防、がん治療に見る体温の重要性
夏から秋に季節が変わりました。だんだんと寒くなってきますね。寒い季節になると人間は病気になりやすくなります。それにはいろいろな理由があります。
特にがんに関して言えば、人間の体温が増殖に影響を与えることがわかっています。体温が低いと免疫力の作用が低下します。高ければ免疫細胞は活発になり、がんを防ぎやすくします。
実際、がん患者の人達の体温を測ると、36度以下の人に多いといった情報もあります。がんは体温35度台を非常に好むそうです。体温が低いとがんになりやすくなり、肺炎や風邪も引きやすくなります。
ですので基礎体温をできるだけ高めておく必要があるのです。理想は36.5度ですが、高齢になってくると36.5度はまず難しいです。やはり基礎代謝が落ちてしまっているので、体温も必然的にそれほど上がりません。
ですので普段の体温が36.0を下回っている人は、36.0を超えることを目標にしましょう。
世界の平均体温は37.0度。
体温の世界的な平均は37.0度です。ご存じない方も多いと思います。平熱の低い人にとっては、37.0度は発熱状態と思う方もおられるのではないでしょうか。
欧米人は日本人より身体も大きく、体温が高い傾向にあります。昔の水銀タイプの体温計がありましたが、あれは37.0度のところに赤く印がつけてあります。

日本人の多くの人は、あれは発熱のサインと思っている人も多いでしょうが、実はあれは平均体温の印なのです。だからといって、37度でなければいけないという話ではありません。
世界は暑い地域もありますし、人種によって基礎体温が違いますので誤解のないようにお願い致します。ただ基礎体温は高いほうが免疫力が元気に働くことは世界共通の認識です。
体温が1度下がると免疫力は3割低下する。
一般的に健康的な人の平熱は36.5度~37.1度とされています。小学校などでは平常時で37.2度前後の場合で体調が良くないのであれば、帰宅を検討するところが多いと思います。
中学生や高校生になると運動をすると普通に熱が37度になることもあります。そして食事をしただけでも36.8度~37度くらいになる子もいます。それだけ代謝力が高いので免疫力も元気なわけです。
しかし高齢になってくると、基礎体温が低いために体温がそれほどあがりません。食事や運動をすればもちろん体温は上がるのですが、平熱が低いので上がったとしても若者とは比べられません。
体温が1度下がると免疫力は30%ほど低下します。非常に体温と免疫力の関係はシビアです。日本の寿命や3大成人病の罹患率で見た場合、北国の人の方が若干ではありますが、寿命が短いことや、がんの罹患率もやや高いことがわかります。
絶対とはいいきれませんが、その理由は気温が低いため、つまりは体温が下がりやすいために病気が多いのかもしれません。そういった視点からも体温アップは必要なのです。
正しい平熱を知る。
平熱は、なんとなく普通に体温計で測った数値では決して正確とはいえません。正確な平熱は3日から4日の間、朝、昼、晩の体温を測ってその平均を出します。
世界の平均は37.0度、日本の50年前の平均体温は36.2度です。平均体温がもし60歳以下で36.0度を下回っているとちょっと心配です。
その場合、がん予防、がん治療のためにも、生活習慣の改善が必要となります。
体温低下の原因は?
まず体温が低い一番の原因となっているのが「筋肉量の減少」です。要は運動不足なんです。現代人は昔の人と比べて運動不足であり、そして夏にはエアコンによる涼しい環境になれてしまっています。
エアコンに慣れて汗をかきにくくなると、脳の体温中枢が鈍感になり体温調節が下手になります。よって低体温になりやすくなるのです。
筋肉は熱を生産します。スポーツマンの体温が高いのは筋肉量が大きく関係しているからです。筋肉が多いと基礎代謝量が増えて、筋肉が少ないと基礎代謝量は落ちます。
基礎代謝とは何もしなくてもエネルギーを消費していることを指します。つまり筋肉が多いと消費カロリーも増えて体温も高い。ということは免疫力も高くなり病気になりにくくなるのです。
逆に体温が低いその理由は、筋肉が少なく基礎代謝量が少ないため。となると免疫力が弱くなり病気になりやすいということになります。では体温を上げるにはどうすればよいのでしょうか。
免疫力を高める体温を上げる3つの方法。
体温を上げる方法はいろいろあります。ここではいくつもある方法の中から、代表的な3つの方法をみていきましょう。
1)筋トレ+ウォーキング

やはり手っ取り早いのは筋肉をつけることです。若い人であれば、筋トレ+ウォーキングがおすすめです。特に下半身の筋力強化がおすすめです。
ただ高齢になってくると筋トレは身体も硬くなっていますし、関節の痛みがある人もいて難しいでしょう。筋トレが難しい方は、ウォーキングをしっかり行ってください。
毎日30分から40分ほど歩いてください。歩数にすると理想は4000歩~5000歩です。ウォーキングは高齢者におすすめの運動です。がん患者の方でも動くことに支障がなくドクターの許可がでているのであれば、積極的にウォーキングをおすすめします。
ウォーキングの狙い。
ウォーキングをすることの狙いは、筋肉をつけることもありますが、筋肉を落とさないためでもあります。そして代謝が上がりますし、心肺機能もほどよく鍛えられます。
高齢者になってくると、一日動かないだけでも筋肉はどんどん減少してしまいます。可能なら毎日30分は動くようにしましょう。
やや早歩きのウォーキングをしていると、20分くらいしてくると体がじんわり暖かくなってきます。額にじんわりと汗ばんでくる状態になると、体から「ヒートショックプロテイン」というタンパク質がでてきます。
このヒートショックプロテインは細胞や筋肉を修復する機能があります。当然歩くことで心臓や肺が活発になり、血流がよくなります。
血流が良くなると体内の免疫細胞も活発に働きだし、がん細胞とどんどん戦うようになります。歩くと最初のうちは血糖値が少し上がりますが、糖質を消耗します。
糖質はがんのエサでもありますので、運動をして糖質を使うことはがんには有益と私は考えています。そんな理由からも毎日ウォーキングをすることは重要なのです。
立っているだけでも運動になる。
高齢で歩けない人でも1日トータルで3時間は立っているだけでも筋肉の減少を抑えることができます。
立つことができる方は、ぜひ1日合計で3時間くらいを目標に、立っているトレーニングしてください。あくまで一日の合計です。通しで3時間ではありません。
部屋で立ったままテレビを見たり、家事をやることでも大変よい運動になります。ぜひチャレンジしてみてください。
2)湯船につかる。

入浴の際、シャワーだけで済ますことはあまり良くありません。もちろん湯船に浸かるにしても効果的な入り方があります。
湯船に浸かる場合は、若い人の場合は体温がもともと高いので短時間でも結構です。低体温の女性や中高年の方は40度くらいのお湯で10分程度入ってください。額から汗が滲んでくる程度で大丈夫です。血圧の高い人はぬるめのお湯に入りましょう。
あまり熱いお湯は疲労回復よりは疲れが増えてしまうので毎日はおすすめしません。ただ熱いお湯に入ることには1つだけメリットもあります。
熱いお湯に入るメリット
熱いお湯、たとえば41度から42度のお湯に10分ほど入ると、体からヒートショックプロテインが沢山でるようになります。あくまで熱いお湯に体がストレスに感じなければこのヒートショックプロテインはでません。
ヒートショックプロテインは先述のとうり、体の細胞を修復する働きがあります。このヒートショックプロテインの分泌のピークは熱のストレスを体が感じてから2日から3日といわれています。
マラソン選手などは、試合の2日から3日まえに、熱いお風呂に入る人がいるそうです。これにより試合後の体調の回復を早めることが狙いです。
ただお湯の熱さに体は慣れてしまいます。慣れてしまうとヒートショックプロテインはでなくなります。ですので、熱いお湯に入る場合は週に1回くらいが良いと思います。
ただこれは体力のある人に限ります。病弱な方や高血圧の方、そして高脂血症の方などは危険を伴うのでやらないようにお願いします。
熱いお風呂に入ると、血管が大きく拡張します。これは一見良いことのようですが、血管が大きく開きすぎると血流がゆっくりになります。
稀にコレステロールが高く血液がドロドロの人にとっては、それが原因で血流がゆっくりになり血栓ができる場合があるのです。
そして脳梗塞や心筋梗塞になる場合がありますので、熱いお風呂は長く入ってはいけませんし、注意が必要です。血圧が高くなくて、健康診断で異常がない人は問題はよほどありません。
それでも42度で10分以上は危険が伴いますので注意しましょう。
3)沢山おしゃべりをする。

人と沢山おしゃべりを楽しくすることは体温を上げ、免疫力も上がります。これは効果的です。人とおしゃべりをするというのは、おもったよりもエネルギーを消耗します。
脳内物質のドーパミンなどの分泌が増えて、心拍数もあがり代謝が増えます。1日100回くらい笑うと、15分間の自転車に乗ったのと同じくらいの運動量となります。
楽しく笑うことは免疫細胞がより活発になり大変効果的です。がん患者の人の実験でも笑うことは免疫力を活性させることの大きな効果があることがわかっています。
まとめ
- がん予防、がん治療にも体温を上げることは免疫力があがるので効果的。
- 体温を上げるには筋力やウォーキングが大事。
- 体温を上げるには効果的な入浴が良い。
- 体温を上げるには楽しくおしゃべりをすることがおすすめ。
いかがでしたか?体温を上げることはがん予防やがんを抑制する効果があります。可能な範囲でチャレンジしてください。
本当は他の方法などもいろいろあるのですが、それはまたの機会にお伝えします。