だるさ、倦怠感があったり、やたらと眠かったりと気だるい症状を持っている方の話を時折耳にします。だるさ、倦怠感などには様々な要因が無数にあり、自分のだるさの原因がどこにあるのかを知ることは意外に難しい場合があります。
そこに眠気や吐き気などが続くような場合も、原因は沢山存在しています。簡単な原因もあれば何か病気が隠れている場合もあります。
今日は原因不明のだるさ、倦怠感、眠気、吐き気などの症状が続いている方に、どんな原因があるのか、どんな対策が良いのかを解説していきたいと思います。
目次
だるさ、倦怠感、眠気がある原因と効果的な対策をチェック!

あなたは今現在どの程度だるいですか?なんだか体がだるい、倦怠感が抜けない、さらに眠気や頭痛がよくあり、何となく吐き気があり、胃がムカムカしていたりと、いろんな症状が重なっていることが人間には時々あります。
それらの症状の原因には非常に多くの可能性が考えられます。ここではだるさ、倦怠感をベースに、その他の症状なども複合的な要因も含めてチェックしていきましょう。
かなり多くの可能性があるので、じっくりチェックしていきます。ただ一点注意があります。だるさ、倦怠感が一定期間、例えば1ヶ月以上続いているというような場合は、必ず医療機関を受診してください。
まずは、血液検査など健康をチェックしてきてください。糖尿病や肝臓病、血液の病気や心臓病などが原因になっていることがあるからです。その場合は、いくら自宅で民間療法をやっても無意味です。
調子の悪さが続く場合の基本はまずは病院で健康状態のチェックが最優先となります。病院でチェックをしても特に目立って異常がなかった方は、下記の項目の中に原因が隠れている可能性があります。
<だるさ・倦怠感の原因>
- 1)睡眠不足
- 2)ストレス
- 3)自律神経失調症
- 4)運動不足
- 5)肥満
- 6)睡眠時無呼吸症候群
- 7)栄養の偏り
- 8)体の硬さ
- 9)遅発型フードアレルギー
- 10)脳疲労
上記項目をわかりやすくシンプルに説明していきます。自分に当てはまりそうな項目だけで良いので読んでみてください。
1)睡眠不足
あなたは毎日睡眠時間はどれくらいとっていますか?もし6時間以下なら良くないです。最近の研究では個人差はあれど、厚生労働省の見解としては、高齢世代なら6時間、若い世代なら8時間くらいが妥当との見解をしています。
厚生労働省:健康つくりのための睡眠指針2014
睡眠不足は脳疲労の状態にもなり、全身のだるさ、倦怠感の原因にもなります。また睡眠時間が短いほど糖尿病や心臓病を発症しやすくなることも指摘されています。
2016年の日本人の平均睡眠時間のデータによると、多くの日本人の睡眠時間は6時間から7時間だそうです。睡眠時間は人によっても違います。
「自分は6時間寝ているから大丈夫」と思っていても、実は8時間必要な人だったという可能性もありえます。睡眠は健康の源ですので眠れていない人は対策が必要です。
睡眠には肉体疲労の回復だけでなく、脳の記憶を整理し疲労をリセットする作用もあります。
睡眠不足の対策
- 規則正しい生活をする。
- 寝る前にお酒を飲まない。
- 寝室の室温を寒すぎず、暑すぎないように調整する。
- 明らかに睡眠不足の場合は、病院で安定剤や睡眠薬を処方してもらう。
※睡眠不足が続くとうつ病を発症しやすくなることがわかっています。必要な場合は睡眠薬を使うこともうつ病を防ぐ意味も含めて有効な場合もあります。薬はなるべく飲みたくないという発想は時に悪影響になる場合があります。
2)ストレス
ストレスは万病の元です。ストレス環境に長期間さらされると、体のあらゆるところに異常が出る可能性が高まります。副腎疲労症候群を発症したり、免疫力低下にもつながりますので注意が必要です。
副腎疲労症候群はストレスが増えると、体内にコルチゾールという物質が増えます。このコルチゾールは血糖や血圧などをコントロールする物質です。
長いストレス環境が解消されないと、最終的には副腎がダメージを受け正しいホルモンが分泌されなくなり異常なだるさや倦怠感が発生することがあります。
ストレスが原因で体のだるさ、倦怠感を感じるという自覚がある人は、ストレスの対策が急務となります。
ストレスの対策
- 可能ならストレス源から離れる。
- 診療内科、カウンセリング。
- ストレス対策の知識を書籍から得る。
ストレスを解消するには、ストレスの原因から離れることが一番です。ただ勤め先の人間関係がストレスとなっている人が多く、なかなか原因から離れることが出来ない場合は、自分のメンタリティーに癒やしと強化をすることが必須となります。
その場合は、最寄りの心理カウンセラーやセラピストのサポートが有効です。ストレスを放置しておけばうつ病などの発症に近づきますし、ガンや他の病気を引き起こしかねないので対策は必須です。
自分の考え方に気づかなかった歪みがある場合が往々にしてあるので、ストレス対策の書籍やカウンセリングなどから参考にして自分の考え方、対処の仕方を変えていくことも非常に有効です。
3)自律神経失調症
自律神経失調症は不規則な生活や、睡眠不足、ストレスなどが引き金となって起こる体の不調です。主な症状はだるさ、倦怠感、頭痛、冷や汗、多感、吐き気、胃痛、下痢、便秘、肩こり、動悸、息切れ、その他様々です。
自律神経失調症の対策
- 規則正しい生活をする。
- 適度な運動をする。
- 内科を受診する。
- 不安があれば不安を取り除く。
- ストレスが原因なら心療内科、カウンセリングなど。
基本は規則正しい生活をすることです。ストレスや睡眠不足があれば、それも自律神経失調症の原因になります。自力で改善が難し場合は、心療内科や漢方内科なども受診すると良いでしょう。
漢方には自律神経失調症に有効な生薬があります。体質にフィットすれば効果が得られる場合があります。ただ基本はストレスを減らし、規則正しい生活を心がけることが必須です。
4)運動不足
運動不足は、明確に体のだるさ、倦怠感を生み出します。普段デスクワークばかりの人がいきなり階段を登ればかなり疲れますよね。運動不足は血流を悪化させて免疫力も下げます。
運動不足の人はがんになる可能性が、運動を習慣的にしている人と比べて最大で20%ほどの差が出るそうです。私の場合も運動が不足すると決まって体調を崩します。思っているよりも運動は人間には必要な様です。
運動不足の対策
- ウォーキング
- アメリカ国立がんセンターの見解では、1日30分から40分歩くだけでも体力がつき、がんの発症なども低下させる効果が期待できるそうです。
- 参考:ニューヨーク・タイムズ
- 姿勢を正す
- ウォーキングが難しい人もそうでない人も、背筋を伸ばしキレイな姿勢でいることを心がけてるだけでも運動になります。
5)肥満
肥満は心臓に多大な負担をかけます。体重は1kg太ると血管の長さが3kmも増えるそうです。脂肪1kgあたりのすべての血管をつなぎ合わせた距離が3kmです。
血管が増えるといことは血液も増えます。血液が増えれば、それを送るためのポンプである心臓にも必然的に負担がかかります。以前より何キロか太ったという人は肥満が原因でだるさ、倦怠感が出ているのかもしれません。
肥満の対策
- ダイエット
- 適度な運動
肥満の対策はダイエットしかありません。多くのダイエッターがあらゆるダイエット法にチャレンジしていますが、ダイエットの真理は次の1点だけです。
「1日に必要なカロリー以下にする」これしか方法はありません。糖質オフをしても、結局おかずを食べすぎてカロリーオーバーになってしまえば太るのです。糖質オフも上手にすれば効果的ですが、自分の適性カロリーを算出し、食事を控えるしか方法はありません。
まずは主食を2割減らすようにしてください。脳は2割までは減らしても誤魔化すことが可能です。それ以上減らすと物足りなくなりリバウンドの原因になります。まずは2割減らすこと。
6)睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、簡単にいうと睡眠中に呼吸が一定時間止まってしまう現象です。肥満や飲酒、元々気道が狭いなどの理由で、舌の筋肉の緊張が緩んで垂れ下がった時に喉を詰まらせます。
睡眠時無呼吸症候群は特に肥満の人や男性に多い症状です。昼間にやたらと生あくびが出たり、睡眠時間をそれなりにとったはずなのに寝足りない、などの症状がある場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群は運が悪いとそのまま命を落とすこともある怖い症状です。いびきをよくかくという人で、異常なだるさ、倦怠感、昼間に眠気などがある人は睡眠時無呼吸症候群の可能性があるので対策が必要です。
睡眠時無呼吸症候群の対策
睡眠時無呼吸症候群になっているかどうかは、「睡眠外来」「睡眠センター」などの外来にかかると確かなのですが、近くにない場合は病院によっては内科、呼吸器科、耳鼻咽喉科などでも対応しています。
ただ明らかに肥満や寝る前に飲酒をしている場合は、それが原因になっているかもしれませんんで、それに向けた対応をしてください。
7)栄養の偏り
この場合の栄養の偏りとは、明らかに偏食である場合に限ります。人間はただでさえ普通にバランスの良い食事をしていても、一部のビタミン、ミネラルは思いの外不足しがちです。
それは、現代の野菜などのビタミンは50年前の野菜と比べると、栄養価が3割から7割ほど下がっているものがあるからです。ましては、ファストフードやお菓子ばかり食べている人は栄養がその分偏ります。
それが原因でだるさ、倦怠感が発生している可能性は少なからずあります。
栄養の偏りの対策
バランスの良い食事を心がける。
8)体の硬さ
体が凝り固まっている人にはだるさ、倦怠感を訴える人が多いです。毎日のストレッチや運度をすることがとても有効です。
体の硬さの対策
- 運動
- ストレッチ
- 足首のほぐし
私の実体験としては、ストレッチはある程度毎日やっているのに、どうも体がだるいことがありました。そこで以前、整体の先生から足首の硬い人には高血圧やだるい人が多いというのを思い出したので、足首をしっかりもみほぐしました。
わたしの足首は意外にも凝り固まっていて1日から2日程度、気が向いたら足首をほぐすようにしていました。そうしたところ冗談みたいに体が軽くなったのです。嘘みたいな話しに思えるかもしれませんが、本当に変化がありました。
次の動画は血圧を下げるためのものですが、体のだるさにも有効な場合があります。
足首をほぐすことをしたことが無い人は、凝り固まっている可能性がありますので、是非ほぐしてみてください。あながち馬鹿にできないですよ。
9)遅発型フードアレルギー
遅発型フードアレルギーとは、食物アレルギーの一種なのですが、アレルギー物質を食べてもすぐには症状が出ない場合のことを指します。
特に病院で検査しても異常がなく、だるさ、倦怠感がやたら長く続く人の場合、遅発型フードアレルギーの可能性もあります。
あなたは毎日食べている食材はありますか?例えば卵などは遅発型フードアレルギーが多い食材です。毎日卵やソーセージなどを食べていると、それが原因で体がだるくなったりしているかもしれません。
遅発型フードアレルギーの対策
- 毎日食べているような食材をしばらく止めてみる。
私の場合は卵は好きなのですが、どうも体調が芳しくないと思い、思い切って止めてみました。卵を食べないとどうも調子がいいです。あなたも何か毎日口にしているものがあれば、一度食べるのを止めて様子を見てみましょう。
10)脳疲労
脳疲労は文字通り、脳の疲労です。脳疲労は睡眠不足やストレス、考え事ばかりしている人、コンピューターなどの作業を長時間集中している人などに多いです。
脳が疲労すると、判断力が鈍り、体も疲れやすくなります。人間、夜になると気がゆるんでお酒を飲みすぎたりするのは、脳疲労で判断が鈍っているからという説もあるくらいです。
常に考え事ばかりしていたり、仕事に集中する時間ばかりで脳の休息が少ない人は注意が必要です。
脳疲労の対策
- 瞑想をする。
- 仮眠をとる。
脳疲労は瞑想をすると効果的に回復します。巷ではマインドフルネスと呼ぶ人もいます。この場合の瞑想はそれほど堅苦しいものではありません。瞑想のコツは目を閉じて呼吸を整えて、しばらくの間「無心」になることです。
雑念が出てきたら、それを跳ね除けてまた何も考えない、また雑念が出てきたらそれを跳ね除けて、また何も考えない。この何も考えないことが瞑想の基本です。
これにより脳疲労が回復します。その時間はたとて3分でも効果があるそうです。瞑想が無理でもお昼に3分から5分という短時間仮眠をとるだけでもだるさが解消されることがあります。
だるさを即効で解消する方法?
あくまで次の方法はおまけ的な話になります。これまで見てきた項目にだるさの要因が仮に無いとすれば、だるさを即効で解消しようと思っている人には次の方法を試してみると効果があるかもしれません。
それは眼球運動によって、だるさを即効で解消しようという運動です。私も試したのですが、現在私には特にだるさがないので、即効性があるのかどうか確認はできませんでした。
ただ眼球運動には脳などに様々な効果がある可能性もあり、特に体の異常がなく、単純に疲れが溜まっている場合には即効で効果が得られるようです。
やり方としては目の動きを左右に8の字に動かし続けます。体は立っていても座っていても問題ありません。目を動かす時間はすばやく1分間動かします。
どの程度の即効性があるかは未知数ですが、これまで見てきた10項目に該当するものが無いと思う場合はこの方法を試してみてはいかがでしょうか。
ただ個人的には1分間、この目の運動をするのは難しかったです。ちょっと酔いそうでした。ただ慣れてくれば平気にはなりそうな運動です。
目の眼球運動だけですので、特に負担はなく安全そうなのでトライしてみてください。軽度の疲労感であれば即効性があるかもしれません。
個人的にこの方法に思うことは、軽度の疲労や疲労の無い時にこの眼球運動をすれば集中力が高まるような感じはしました。
まとめ
- だるさ、倦怠感、さらに眠気などがある場合はまずは病院で検査をする。
- 検査に異常がなければ本記事の10項目に当てはまるかどうかチェックをする。
- 該当しそうなものがあれば、併記されている対策を講じてみる。
- 眼球運動でだるさを即効で解消することができる場合がある。
原因不明のだるさ、倦怠感にはあらゆる原因が隠れている場合があります。場合によっては原因はいくつも重なっていることもあるので、一つひとつチェックしていくことが重要です。
眠気などが長く続く場合や吐き気などが長く続く場合も、本記事の10項目に当てはまるものがあるのか確認してみてください。だるさや倦怠感は体のサインです。
病気になる前のシグナルの可能性があるので、しっかり対策をしていきましょう。