あなたの血圧は高いですか?日本人の高血圧の患者の人口は、厚生労働省の『平成26年の患者調査の概況』によると、継続的な高血圧治療を受けている高血圧性疾患の総患者数が1,010万800人となっています。

おそらく、平成29年度はさらに増加しているものと思われます。こうして数値でみると、日本人のおよそ12人に1人がなんらかの高血圧で治療をしていることになりますが、なぜこれほど日本人には高血圧が多いのでしょうか。

今日は、日本の高血圧の基準は本当に正しいのか、そして高血圧の治療法とはなんなのか。そして海外の高血圧に関する基準や状況なども含めて見てみましょう。


高血圧の基準、海外と日本との違い。

あなたは高血圧について、そもそも何がどうなって高血圧と正確に言えますか?まず日本の高血圧の基準をみていきましょう。

<日本の高血圧基準>

(高血圧学会策定ガイドライン)

  • 収縮期血圧140mmHg以上
  • 拡張期血圧90mmHg以上
  • 家庭での収縮期血圧135mmHg以上
  • 家庭での拡張期血圧85mmHg以上

高血圧とは精度がしっかりと測定できる血圧計で測定した血圧値が、収縮期血圧(上)が140mmHg以上、拡張期血圧(下)が90mmHg以上の数値が出ると高血圧と日本では診断されます。

自宅での測定では、収縮期血圧が135mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上となっています。これは病院での測定では若干の緊張が走るため、血圧が上がる傾向にあるからです。(一部例外あり)

一応、これは世界基準を元に使用されている基準ではあります。ただ最近ではアメリカが高血圧の基準を緩和しました。

<アメリカの高血圧基準>

(アメリカ共同国内委員会)

  • 収縮期血圧150mmHg以上
  • 拡張期血圧90mmHg以上
  • 高血圧のガイドラインの適応の対象は60歳以上だけ。
  • 30歳から59歳までは拡張期血圧(下)が90を超えたら高血圧。
  • 30歳未満の若年層は、血圧が著しく高い場合を除き、血圧を下げる必要は無い。

随分日本の高血圧の基準とアメリカの基準は違っていますね。特に血圧の拡張期血圧、いわいる下の血圧が90を超えたらという部分は共通していますが、それ以外は大きく乖離しています。

血圧は血管にかかる圧力の問題ですので、西洋人と日本人の体格差はあまり関係がないように思います。基準の根拠が最もであれば仕方のないことですが、海外とくらべて厳しいこの基準には疑問が残ります。

私が言いたいのは、日本の基準が厳しいから基準を改定するべきだということではなく、基準値を超えたら降圧薬をすぐ処方するという安易な発想はあまり望ましいことではないということです。

それは血圧を薬でコントロールすることは、身体的負担、医療費の負担、根本解決ではなくただの対処療法といった理由があるからです。長期的な薬の服用はいろいろな面で負担がかかります。

根本的な解決方法があるのなら、それをするべきと思うからです。根本的な解決法に関しては後述します。

日本の高血圧治療は遅れている!?

日本では高血圧に対しては、単純に降圧薬を処方します。いわいる高血圧の対処的な療法です。決して血圧が上がった原因を調べることなく、薬で押さえつけます。

これは高血圧の根本解決にはなりません。一般的に高血圧の原因は以下の原因が主な原因といわれています。

<高血圧の原因>

  • 遺伝
  • 塩分の摂りすぎ
  • 運動不足
  • 肥満
  • 喫煙
  • ストレス

これら一般的な高血圧の原因にプラスして、整体の先生などには高血圧の原因に身体が硬いということを示唆する人もいます。高血圧の人の多くには体の硬い人が多いそうです。歳を取ってくると血管も硬くなります。

体が硬いという理論もあながち的外れとはいえないかもしれません。事実、ストレッチとして、前屈をしたり、足首の筋肉をしっかりほぐすだけで血圧が下がる人がいるそうです。とまあ、一般的に血圧が上がる原因はこのような感じですね。

日本の治療の場合、原因が解決していかない高血圧治療は、加齢にしろ、いずれかの原因にせよ、対処療法しかしていないので、いずれは大幅な悪化を招きます。そうなると、より多くの降圧薬をまた処方します。結局これの繰り返しです。

結局患者側ですることは、減塩と運動くらいです。もちろん肥満や運動不足なら、しっかり毎日運動したり、減量することで血圧は確実に下がります。しかし遺伝といわれてる人は痩せていても運動をしていても血圧は下がりません。

遺伝で血圧が高いというのは、実際どんな原理なのか医者から聞いたことがない人が多いのではないでしょうか。

遺伝で血圧が高い場合考えられる原因には、血管の細さだったり、血液の質がドロドロだったり、脳、腎臓、心臓に問題があったりといくつか要因が考えられます。

人それぞれに原因があり、その人がどんな固有の原因で血圧が上がっているのかを病院は調べることがないのが残念です。海外の高血圧治療では日本にはない根本的といえるかわかりませんが、かなり本質に踏み込んだ治療方法を打ち出してきています。


海外の高血圧治療は薬を使わないで血圧を下げる治療法

高血圧の原因の一つに腎臓の影響があります。これは一般の人にはあまり知られていません。日本でも既に2012年頃から腎臓の治療をすることで、高血圧をおさえる治験が行われています。海外では既にこの治療を一般治療に導入している国もあります。

腎臓と交感神経の関連で血圧が上がることを下記では説明されています。

高血圧の大半を占める本態性高血圧の成因は様々ですが、中でも交感神経活動の亢進が重要とされます。交感神経活動の中枢である頭側延髄腹外側野(rostral ventrolateral medulla、RVLM)のニューロンが興奮すると、末梢交感神経活動が亢進します。その結果心臓のβ受容体刺激による心拍出量の増加・血管のα受容体刺激による収縮により血圧を上昇させます。また腎臓に対しても、傍糸球体細胞のβ受容体刺激によるレニン分泌およびそれに基づくアンジオテンシン IIやアルドステロン産生の亢進、尿細管細胞のα受容体刺激によるNa再吸収亢進、細動脈のα受容体刺激による収縮をもたらし血圧を上昇させます。このような作用の結果もたらされる腎虚血、低酸素、腎実質障害により求心性腎神経が亢進し、脳にその情報が伝わります。脳内では最終的にRVLMニューロンを活性化させるような変化が起こるため交感神経がまた亢進します。本態性高血圧患者の中には、このような機序による交感神経活動の持続亢進を示す症例が少なからずいると考えられています。

引用元:東京女子医科大学高血圧・内分泌内科

難しい言い回しでわかりにくいのですが、要は腎臓の交感神経に関わる部分が活発すぎるので、それを抑えると血圧が下がるというざっくりとした解釈でいいと思います。

そういった理由から海外では以下のような画期的な治療法で血圧を下げることに成功しています。

その治療法は『腎デナベーション』

腎デナベーションとは、腎交感神経除神経術 renal sympathetic denervation 通称RDNといいます。

遺伝で血圧が高いと言われている人の多くには実は交感神経の働きが過剰になっている可能性が多いのです。要は腎臓にカテーテルでの治療を施すことで、交感神経の働きをおさえることになり、それで血圧を下げてしまおうということです。

腎デナベーションという治療法はガイディングカテーテルという電極のついたカテーテルを太ももの大腿動脈から腎臓の動脈へ送り込みます。そこで通電用の電極カテーテルを腎動脈の奥まで進め、最高8wの高周波エネルギーを出して2分間通電させます。

これにより、遠心性腎交感神経・求心性腎神経という高血圧の原因になる神経を同時に焼いて調節します。そのあと、電極のカテーテルを回転させ5ミリ中枢側で通電させることを何度も繰り返します。

腎デナベーション
出典:https://goo.gl/TvRZbG

通電回数は片側で4回~6回ほどの作業となります。これで長期的に血圧が下がることが確認されています。海外では数年経過しても血圧が安定していることから、この腎デナベーションの価値が正当に評価されています。

これができれば、降圧薬を飲む必要がなくなります。腎臓から過剰にホルモンは出なくなり、心肥大のある人も改善が見られ、糖代謝やインスリン抵抗性も改善されるといいます。手術の安全性も通常のカテーテル検査と同等といわれていますので、日本での導入が急がれます。

やはり降圧薬に頼るやり方は身体への負担が大きく、国としても医療費が莫大にかかります。この腎デナベーションの導入は必須といえます。

まとめ

  • 海外の血圧の基準と日本の血圧の基準は大きく違う。
  • 高血圧の本当の意味での治療は降圧薬ではできない。
  • 高血圧の根本治療になる腎デナベーションが海外では導入されている。
  • 日本でも腎デナベーションの治験が行われている。

高血圧の基準は海外より日本の方がかなり厳しい基準となりつつあります。基準が厳しくなれば降圧薬の処方量が大幅に増えることは比例していきます。薬を使わない高血圧治療がやはり理想です。

効果的な高血圧の治療がでてきていますので、日本の医療も均一化から、個別化されるようになることを願います。それが時代の流れです。