あなたは肺炎というとどのような印象を持ちますか?

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肺炎はお年寄りの病気などの印象を持つ方も多いと思います。たしかに高齢者に多い病気なのですが、肺炎は実はあなたにとって決して遠い存在とは言えないのです。

生存率、罹患率でいえばやはり高齢者や子供に多い肺炎ですが、体調や環境によっては体力のあるはずの成人でも罹ることがありうる病気です。

今日は肺炎がどのような性質の病気か、生存率、原因や症状、予防方法なども含めて学んでいきます。
誰でも簡単に理解できる肺炎簡単チェックもあります。いままでより更に肺炎に対する理解をここで深めてみましょう!


高齢者や子供ほど肺炎は悪化する!肺炎は生存率なども低い!?

肺炎は近年増加傾向にあります。
平成28年(2016年)の統計によると死亡数第3位となっています。人数としては、年間114,000にも人が肺炎で亡くなっています。

図の一番右の28年(2016年)の項目をご覧ください。死因が上位から悪性新生物(がん)そして心疾患となりその後に肺炎となっています。図全体を見渡してみても、肺炎は常に死亡率上位に入っている病気であることが確認できます。

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出典元:厚生労働省 平成28年(2016)人口動態統計の年間推計より

非常に死亡者数の多い肺炎ですが、肺炎にかかってしまった場合の生存率はどうなのでしょうか。

残念ながら肺炎患者全体の数字が曖昧で、死亡者は把握ができていますが、肺炎に罹患していても病院に行かない人や自然に治ってしまった人も相当数存在していることが考えられるため、正確な生存率はデータとしては存在はしていません。

とはいえ、肺炎の入院患者からある程度は数字を推測することが出来ます。
肺炎で入院する患者のうち急性の肺炎が4割、残りの6割が誤嚥性肺炎という報告例があります。誤嚥性肺炎(ごえんせい肺炎)とは唾液や食べたものが間違って肺に入ることで発症する肺炎のことです。

誤嚥性肺炎だけを見た場合、約30%が亡くなっています。少なくとも入院する肺炎患者のうち3割くらいは亡くなってしまう。つまり誤嚥性肺炎に関しては70%の生存率つまり死亡率は30%と見ることができます。

ただこれはあくまで誤嚥性肺炎の入院患者の例であり、急性期の肺炎は入っていませんので参考程度にとどめて下さい。いずれによせ、肺炎は死亡率の非常に高い病気ということだけは確かです。

では次の章で肺炎の原因と症状を知りそして簡単肺炎チェックを覚えておきましょう!

肺炎が起こる仕組み

肺炎は、呼吸や食事、誤嚥(ごえん)によって喉や気管支をウィルスや細菌などの病原体が肺に入ることが直接の原因です。ただ通常、喉や気管支には線毛と呼ばれるバリアがウィルスや細菌をつかめて体内の侵入をできる限り防ぎます。

しかし免疫力が衰えていたりすると、病原菌やウィルスの活動を防ぎきれず熱や咳がでて肺炎になってしまいます。

肺炎の治療法

治療法は主に抗生物質が主体となります。
そして咳や痰で苦しい方も多いので、そういった症状が強い場合には鎮咳薬(ちんがいやく)を使います。

いわいる咳止めですね。
そして痰を抑える薬なども使用します。

鎮咳薬にも種類があり、主に中枢神経に働きかけて咳を沈めるような効果があります。
気道を広げて気管支の通りをよくする薬なども使用することがあります。

いずれにせよ肺炎の治療は投薬が主体です。そしてなにより患者さんの回復力や免疫力にも頼る部分が大きい病気です。

それゆえ、体力がない高齢者や子供が多く肺炎になってしまう理由から亡くなってしまうケースが多いといえます。


肺炎の予防方法

肺炎の予防には5つのポイントがあります。

1)1番のおすすめは歯磨き!

私が強くお勧めしたい肺炎の予防方法ですが、歯磨きです。特に高齢者で肺炎に罹る人は口腔環境の悪い人が多いことが明確に指摘されています。

歯磨きがおろそかで雑菌や歯石、歯周病が多い人ほど、その影響で肺炎に罹りやすくなります。ですので毎日しっかりと歯磨きを丁寧にすることが肺炎予防にはとても重要なんです。

2)肺炎球菌ワクチンをうける

また肺炎には肺炎球菌という原因菌がありますが、それに関しては肺炎球菌ワクチンを受けることで、いくらか肺炎の発症を低くすることができます。

日本呼吸器学会・成人市中肺炎診療ガイドラインによると、肺炎球菌が直接の原因菌としての肺炎は約25%前後ということです。ウィルスや細菌の影響で発症する肺炎に関しては、インフルエンザや食中毒予防と同じで、マスク、手洗いが非常に有効です。

3)偏った食事やストレスに注意!

また体力が低下している人が肺炎に非常に罹りやすいので、普段から規則正しい生活やストレスを溜めないこと、そして偏った食事やストレスにも注意してください。

基本的にわたしたちの体には免疫力が備わっていますので、それを活かすためにも不規則な生活によってその力を落とさないことが肺炎を防ぐ第一歩です。

4)食べてすぐに寝ない

高齢者の場合は6割が誤嚥性肺炎です。食後すぐに横になって寝てしまったりすると、食べたものがすぐに肺に入ってしまうことがありとても危険です。

5)衛生環境を整える

お風呂やトイレ、エアコン、部屋などを清掃をして常に衛生的にしてください。不衛生な環境もまたカビや細菌の温床になり肺炎の原因になります。

※これら5つの予防を施すだけでも相当肺炎は抑えられやすいので是非実践してみてください。歯磨きは重要です!毎日しっかり歯を磨いて下さい。

肺炎の原因を知り、簡単肺炎チェックで症状を知り素早い対応を!

そもそも肺炎とはどんな病気でしょうか?肺炎とは文字通り肺の炎症です。その原因は複数あります。

代表的な肺炎の原因

  • 1)細菌性肺炎
    • 肺炎球菌・黄色ブドウ球菌・クレブシエラ菌
  • 2)ウィルス性肺炎
    • インフルエンザ・サイトメガロウイルス・SERSウイルス他
  • 3)非定型肺炎
    • マイコプラズマ・クラミジアなどの病原微生物
  • 4)誤嚥性肺炎
    • 唾液や食べたものが間違って肺に入ることで発症
  • 5)喫煙
    • 喫煙量が多いほど肺炎になる確立が上がる。肺炎発症率は非喫煙者の2倍弱といわれている。

※冬は特に細菌やウィルスの感染に注意が必要です。マスクの装着や手洗いうがいをしっかりして肺炎予防をしてください。

簡単肺炎チェック!

簡単肺炎チェックを覚えて、いざという時の判断基準に活用しましょう。
以下の症状に3つでも当てはまる場合は肺炎の可能性があります。仮に肺炎でなくとも何らかの異常があるかもしれないので、症状がある場合はお近くの医療機関を必ず受診してください。

  • 微熱が1週間以上続く
  • 高熱がなかなか下がらない
  • コンコンと乾いた咳が頻繁にでる
  • 痰の出る量が常に多い
  • 食欲がない
  • 体がだるい
  • 頭痛がする
  • 筋肉痛や関節痛がある

特に微熱や高熱が続くことや乾いた咳が重なる場合は肺炎の可能性があります。速やかに医療機関を受診してください。子供や高齢者は免疫力が弱いので肺炎になることは珍しくありません。

保護者の方、ご家族の方はしっかり子供や高齢者の様子を普段から観察しておくことが肺炎対策として重要です。

※肺炎チェックはあくまで目安の一つです。過信せずに体調の異常を感じたら直ちに医療機関を受診して診断を受けて下さい。

まとめ

  • 1)肺炎の死亡率は日本では3位
  • 2)肺炎に罹る高齢者や子供の場合、生存率が著しく低い
  • 3)原因はウィルスや細菌など様ざまであり半数が誤嚥性肺炎
  • 4)治療法は抗生物質が主体
  • 5)肺炎球菌対策にはワクチンが有効
  • 6)歯磨きや部屋、エアコン、お風呂などの衛生環境改善が重要
  • 7)簡単チェックに当てはまる症状が複数ある場合は速やかに病院を受診する。

いかがでしたか?
肺炎はとても身近な病気です。高齢者が肺炎になってしまうと生存率が低く厳しい局面を迎えやすいです。

高齢者や子供だけでなく、歯磨き不足、ストレスや喫煙、睡眠不足なども原因になります。免疫力が下がっているときは成人でも注意が必要なのです。

実に死亡者全体の3割が肺炎というのは見過ごせません。
肺炎の原因と症状をしっかりと理解し、自分も含め子供や高齢者も守りましょう。